2011年12月11日

バイクタクシーの恐怖

 【バンコク11日】前回「バスの乗り方」が一部関係方面に好評だったことから、今回は続編として「バイクタクシーの乗り方」。そして、「その恐怖」。
 タイ国内とりわけバンコク都内でよく目にするものに、バイクタクシーがある。オレンジ色のちゃんちゃんこならぬ法被を着た運転手が、渋滞路を縫うように走るオート二輪。大体が2サイクルエンジン搭載の125CCで、けたたましくエンジン音を鳴らしながらカッ飛ぶ姿は、ある意味で爽快でもある。いつか乗ろうと思っていたバイクタクシーに先日初めてチャレンジをした。

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 その運ちゃんは、明らかに暇そうにしていた。
 「Hey! chuay pay sa-thaa-nii tam-ruat Lumphini noy!(ルンビニ警察署まで行ってくれるか)」(タイ語の英文字標記、タイ文字はまだ書けない)
 最初は見て見ぬふりすらした運転手。こちらの意図がようやくつかめたととぼけて見せると、今度は不承不承の表情で立ち上がり、「さあ乗れ」とばかりに顎でしゃくって見せた。思わずカチンと来たが、乗る前に料金交渉だけはしておかなければならない。
 「thawray(いくらだ)」「hok-sip baat(60バーツだ)」−−。えらく高いと感じ、「haa-sip(50)」と押し戻すと、次の瞬間には薄く空いた口の間から白い歯がこぼれてニヤリ。「OK」。意外に諦めも早く、さっさとバイクにまたがると、エンジンをかけてこちらが乗るのを待った。
 ところが自分はヘルメットをかぶるものの、客には手渡そうとさえしない。「おい、メット、メット」。思わず日本語で抗議をすると、ニヤリと笑みを浮かべ、ようやく足下の半キャップを差し出してきた。

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 結局、ルンビニ警察署までは10分とかからなかったが、後部座席の短い旅はこれ以上とない恐怖の連続だった。車と車の間を猛烈なスピードで走り抜けるのだから、時々、膝の端あたりが横を走る車のバンパーと擦れ、音を立てる。相手の運転手が降りてくるのでは、ともハラハラしながらいるが、そのあたりの「物損事故」は日常茶飯事らしく、誰もとりたてて問題ともしない。
 急加速や急停止は当たり前。そのたびに身体が前のめりになったり、後ろに反れたりと、掴まっているのに必死だった。沿線の景色を楽しもうなどという余裕も持てず、到着したころには手にべっとりと汗がにじんでいた。後に聞いたことだが、観光客らがバイクタクシーから転落する事故が意外と少なくないのだという。

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 バイクタクシーに乗るには、冒頭に書いたようにオレンジ色の法被を探すとよい。主要交差点の近辺や、商業施設の前にはまとまった数のバイクが止めてあるので、あとは近づいて値段交渉。日本人ともなれば、だいたいが高めに言ってくるので(真実は分からない)、試しに10-20バーツほど低めの金額を告げ反応を待つ。
 料金が決まれば後部座席に乗るだけとなるが、まずはヘルメット着用を自ら申告しなくてはならない。運転手の方から「メットをかぶれ」と言ってくるのは希と思ったほうがいい。乗車中はしっかりと身体を起こし、手すりから手が離れないようにする必要がある。
 爽快に感じるバイクタクシーだが、個人的には恐怖の方が先行した。ゆっくり走るバスのほうが自分には向いているとしみじみ感じた。





posted by 原稿料嘱託記者 at 23:45| Comment(0) | レポート
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